ヤンキー高校に転入した私

倉庫を出た薫は、スマホを取り出してテキパキと電話をかけた。

「もしもーし、遥?試合だよー。東羽山の第8倉庫。」
「相手誰?」
「閃爆の大門寺。」
「だる〜」
「みんなで来てね。待ってるよ~じゃあね。」

薫は遥がめんどくさがって来ないことを見越して3組の組長翔太郎にも電話をかけた。試合好きな翔太郎は、ノリノリで3組のクラスメイトを引き連れて第8倉庫へやって来た。

「薫さん、もしかして復帰っすか?」
「どうだろうね?」
「薫さんと一緒の組で戦えるなんて最高っす!」

翔太郎が3組を率いて閃爆と戦っていると、壁に寄りかかっている遥が見えた。駆け寄ると遥は眠そうにあくびをした。

「遥さん、入んないんすか?」
「だって大門寺じゃん。翔太郎がいればなんとかなるっしょ。あとよろしく〜」

遥は完全に観客だった。