ヤンキー高校に転入した私

緑のモヒカンはニヤニヤしながらこっちに近づいてくる。

「なっ、なんなのよ!」
「こっちへ来い。ピ──女。」

緑のモヒカンに無理やり起こされて、大門寺の隣に立たされた。失礼なことばかり言うから言い返してやろうと思ったけど、息が詰まった。

大門寺の手にはナイフが握られている。こんな奴に脅されて悔しいのに、体はガタガタと震えてしまう。

「大門寺、お前の目的は何だ。」
「大和!俺の前に跪け!そして負けを認めろ!」

「そんなことするわけねーだろ。」

怒号が飛び交う中、大和くんはヅカヅカとこちらに向かって歩いてくる。大和くんに続いて1組の面々もこちらへ向かって足を踏み出した。

「これ以上近づくな!こいつがどうなってもいいのか?」

大門寺が私の顔にナイフを突きつけると、大和くんは足を止めた。

「仲間を下げろ。」

大和くんが手で合図をすると、1組のクラスメイトたちはジリジリと後ろに下がっていく。

「大和、お前1人でここまで来い。」

大和くんは大門寺のすぐ前まで歩いてきた。大和くんは気怠そうに足をぶらぶらさせている。大和くんの様子が不自然だ。

「ははは!どうだ?俺に負ける気分は?」

大門寺は私に向けていたナイフを大和くんに向けて息まいている。

「負ける気なんてしねーよ。」
「負け惜しみもほどほどにしろ。ははは!」

大和くんはさっきよりも落ち着きがない。ぶらぶらさせている大和くんの足を見ていた私はハッとした。

「跪け、東条大和!俺に許しを乞え!ははは!」
「んなことするわけねーだろ。」
「こいつがどーなっても知らねーぞ!」

大門寺は私の方に体を向けた。

「いけ、紗里奈!」

大和くんの合図を聞いた私は、迷うことなく大門寺の股間を蹴り上げた。大和くんは私の腕を捕まえて引き寄せると、あっという間に縄を解いてくれた。