ヤンキー高校に転入した私

「大門寺さん、来ましたよ。」
「やっと来たか。」

大門寺の子分たちが後ろを振り返る。

「待ってたぞ、大和。」

(え……)

大和くんの後ろには1組のクラスメイトたちが控えている。

どうしていつもピンチになると助けに来てくれるのだろうか。これで好きにならない方が無理な話だ。私のことが嫌いなら助けに来ないで欲しい。いや、助けて欲しいけど、できたら違う人が来て欲しい!

「ははは、お前も落ちたもんだな。こーんなピ──な女のためにこんなところまでノコノコと。」
「あははは。」

(あいつら、まじでぶっっとばす!)

私は誰もこちらを見ていないことを良いことに、前にいるモヒカンの2人を睨みつけた。

「大門寺、閃爆とは話がついてる。これは協定違反だ。」

大和くんの声が倉庫の中に響き渡る。しかし閃爆の奴らはそれを笑い飛ばした。

「ははは、そんな協定、同意した覚えはねーんだよ!」
「だったらこっちもその気でいかなきゃならない。それでもいいのか?」

大和くんの雰囲気に圧倒されて、閃爆の奴らはジリジリと後退っている。

(行けー!頑張れ大和くん!1組負けるな!)

私は心の中で応援していた。すると私の妙な気配を察したのか、緑のモヒカンが突然こちらを向いた。

「あ。」