ヤンキー高校に転入した私

「ったく、なんなんだあいつらは。」

大和は息を切らして立ち止まった。紗里奈と薫が下校した後、いつものように後を追っていたら、5組の奴らが突然襲い掛かってきた。素手ならば負ける相手ではないが、奴らは武器を持っていた。

紗里奈が転入してきた当初、紗里奈にちょっかいをかけてきていた奴らだ。5組の組長の管理を越えて、別の組織として動いているのかもしれない。大和はスマホを取り出して、5組の組長へ電話をかけようとしたが──

道端に落ちている烈蘭高校のカバンが視界に飛び込んできた。カバンにはキラリと光る1組のバッヂがついている。

「くそっ！」

大和はカバンを握りしめて走り出した。