帰宅したら早速、原画の続きに取り掛かった。
みんなから意見をもらって視野が広がったのか、自分の中で大体の方向性が固まったのか、動かし始めた手が止まることはもうなかった。
どれくらい時間が経ったのか、机の上に置いていたスマホの振動音でふと我に返る。
窓の外はいつの間にか真っ暗になっていた。もう7時を過ぎている。
時間を忘れるくらい熱中していたことに驚きながら、ペンを置いて代わりにスマホを手に取る。
きっと蘭だ。今から帰るという連絡だろうか。
「え!?」
画面に表示されていた名前を見て声が出る。
蘭じゃなかった。陽からだ。なんで――。
そういえば、彼が転入してきてすぐの頃、連絡先を聞かれて渋々教えた記憶がある。連絡なんてその時以来なかったからすっかり忘れていた。
突然の連絡。しかもメッセージじゃなく電話――。
おそるおそる通話ボタンを押す。深呼吸をしてスマホを耳に押し当てる。
「……もしもし」
「あ、凛ちゃん?」
耳元で陽の声が聞こえる。
「どうしたの? 何かあった?」
「ごめんな、びっくりさせてしもて。全然急ぎの用やなくて。邪魔したら悪いな思うて悩んだんやけど、気になって……」
外にいるのだろうか。陽の話し声に交じって車の走行音が小さく聞こえる。
少しの沈黙の間で、彼が気になっているのが原画の進行具合だということに気付く。
「さっき下絵はできたよ」
「ほんま?」
「うん。あとは配色を考えるだけだから、今日中には完成する。たぶん今まで描いた中では一番いいんじゃないかなって、今のところ自分では思うけど……また明日見せるね」
「そっかぁよかったわ。よう頑張ったな」
ワントーン高くなった声から、陽の嬉しそうな顔が目に浮かんだ。
「……心配した?」
「ちょっとな。あ、凛ちゃんのこと信じてへんわけやないで? ただ……余計なことしてしもたかなって思うて」
陽が少し早口になる。
みんなから意見をもらって視野が広がったのか、自分の中で大体の方向性が固まったのか、動かし始めた手が止まることはもうなかった。
どれくらい時間が経ったのか、机の上に置いていたスマホの振動音でふと我に返る。
窓の外はいつの間にか真っ暗になっていた。もう7時を過ぎている。
時間を忘れるくらい熱中していたことに驚きながら、ペンを置いて代わりにスマホを手に取る。
きっと蘭だ。今から帰るという連絡だろうか。
「え!?」
画面に表示されていた名前を見て声が出る。
蘭じゃなかった。陽からだ。なんで――。
そういえば、彼が転入してきてすぐの頃、連絡先を聞かれて渋々教えた記憶がある。連絡なんてその時以来なかったからすっかり忘れていた。
突然の連絡。しかもメッセージじゃなく電話――。
おそるおそる通話ボタンを押す。深呼吸をしてスマホを耳に押し当てる。
「……もしもし」
「あ、凛ちゃん?」
耳元で陽の声が聞こえる。
「どうしたの? 何かあった?」
「ごめんな、びっくりさせてしもて。全然急ぎの用やなくて。邪魔したら悪いな思うて悩んだんやけど、気になって……」
外にいるのだろうか。陽の話し声に交じって車の走行音が小さく聞こえる。
少しの沈黙の間で、彼が気になっているのが原画の進行具合だということに気付く。
「さっき下絵はできたよ」
「ほんま?」
「うん。あとは配色を考えるだけだから、今日中には完成する。たぶん今まで描いた中では一番いいんじゃないかなって、今のところ自分では思うけど……また明日見せるね」
「そっかぁよかったわ。よう頑張ったな」
ワントーン高くなった声から、陽の嬉しそうな顔が目に浮かんだ。
「……心配した?」
「ちょっとな。あ、凛ちゃんのこと信じてへんわけやないで? ただ……余計なことしてしもたかなって思うて」
陽が少し早口になる。
