「ちょっと待って」
喉の奥から声を振り絞った。
胸ポケットに差していたボールペンを手に取って、没にした原画の紙を裏返す。
「あの、もう1回言ってくれないかな? もう少しゆっくり。……お願いします」
みんなが目を丸くしてこちらを見ている。注目を浴びて、緊張と恥ずかしさでどうにかなりそうだった。
誰も何も言わない。
言い方がまずかっただろうか。気を悪くしただろうか。そうやって気を揉んでいたとき、みんなの硬くなった表情が一気に崩れた。
爆笑している彼らを交互に見るが、何が何だか分からない。
「もしかして、それでメモ取るつもり?」
「うん……ダメかな」
「ダメじゃないけど、うちらそんな大したこと言ってないって」
「一ノ瀬、真面目すぎだろ」
何がそんなにウケているのかは全く分からなかったが、その笑いは私を馬鹿にするような不快なものではなかった。
「一ノ瀬って面白いんだな。さすが陽が目を付けてるだけあるわ」
「やろ? 今頃気付いたんか」
陽が冗談交じりに笑って返す。そして私の右肩に手を置いた。
「大丈夫やで。ゆっくりでええから、書き」
耳元で私にだけ聞こえる声で優しく囁く。
陽は再びみんなに意見を聞いてくれた。今度は間に入り会話をまとめたり、隣で要約して繰り返したりしてくれる。そうしてくれることで、先程よりもかなり意見を聞きやすくなっていることに気付く。
おかげで参考になりそうなアイデアをなんとか書き留めることができた。
喉の奥から声を振り絞った。
胸ポケットに差していたボールペンを手に取って、没にした原画の紙を裏返す。
「あの、もう1回言ってくれないかな? もう少しゆっくり。……お願いします」
みんなが目を丸くしてこちらを見ている。注目を浴びて、緊張と恥ずかしさでどうにかなりそうだった。
誰も何も言わない。
言い方がまずかっただろうか。気を悪くしただろうか。そうやって気を揉んでいたとき、みんなの硬くなった表情が一気に崩れた。
爆笑している彼らを交互に見るが、何が何だか分からない。
「もしかして、それでメモ取るつもり?」
「うん……ダメかな」
「ダメじゃないけど、うちらそんな大したこと言ってないって」
「一ノ瀬、真面目すぎだろ」
何がそんなにウケているのかは全く分からなかったが、その笑いは私を馬鹿にするような不快なものではなかった。
「一ノ瀬って面白いんだな。さすが陽が目を付けてるだけあるわ」
「やろ? 今頃気付いたんか」
陽が冗談交じりに笑って返す。そして私の右肩に手を置いた。
「大丈夫やで。ゆっくりでええから、書き」
耳元で私にだけ聞こえる声で優しく囁く。
陽は再びみんなに意見を聞いてくれた。今度は間に入り会話をまとめたり、隣で要約して繰り返したりしてくれる。そうしてくれることで、先程よりもかなり意見を聞きやすくなっていることに気付く。
おかげで参考になりそうなアイデアをなんとか書き留めることができた。
