カラフル

「え、マジで? すごい上手いじゃん!」

「ほんとだすごい! 全部一ノ瀬さんが描いたの?」


「……え……うん」

 クラスメイトの予想外の反応に拍子抜けして、間抜けな声で返事する。


「すっげーな」と、内田が目を輝かせる。

「そうやろ?」と、陽がまるで自分のことみたいに喜ぶ。

「みんなに相談! 俺的にはどれもめちゃめちゃ上手い思うねんけど、パネルにできるんは1つだけやん? どんなんがええか悩んどるんやけど、みんなはどう思う?」


「俺はこれだな。いかにも赤団って感じでかっこよくね?」

「でも、こっちのほうが今っぽくない?」

「あーたしかに」

 陽の問いかけに対して、彼らは思ったことを次々と口々に話す。


「あたしはこれが好きかなぁ。色遣いがすごく綺麗だし、写真とか撮りたくなりそう。女子人気は絶対に高いと思うなぁ」

 蘭が1枚の絵を見ながら呟く。


「ていうか、この絵は背景もっと暗い方が映えそうじゃない?」

「確かにね。そっちのほうが中心が映えそう」

「ほんなら、こっちの背景の方が合うんちゃう?」

「うんうん。そっちの方がいいよね」


 参考になりそうな意見が次から次へと出てくるのに、会話のテンポが速すぎてついていけない。この人たちはなんて頭の回転が速いのだろう。

 最初は黙って耳を澄ませて追いかけていたが、どんどん進んでいく会話についに耐えられなくなった。