「俺な、正直言うて美術とか全く詳しくないし、絵のセンスもないんやけどな……もちろん小学校の時から5なんて成績取ったことも一度もあらへん。でも、そんな俺でも凛ちゃんの絵は、ほんまにすごいと思う。
見てたら、なんか惹きつけられるいうか、上手く言えへんのやけど、とにかく目を奪われる感じなんよな。
……凛ちゃんって、ほんまは絵ばっかり描いてる暗い奴とかそんなんちゃうねん。いつもめちゃ楽しそうに絵描いとって、そうやって描いた絵やから、大袈裟かもしれへんけど、見てたらこっちまで幸せな気持ちになれんねん」
恥ずかしさも忘れてその言葉に聞き入っていた。
『絵ばっかり描いてる暗い奴』って、さっき中庭で私が陽に話したことだ。あの時、時間がなくて陽は口を閉ざしたけれど、もしかしてこれを伝えようとしていたのだろうか。
いつもそんな風に考えて、そんな風に私が絵を描いているところを見ていたのだろうか。
唇をキュッと噛みしめる。
「凛ちゃんの描いた絵でみんなでパネル作って、それを体育祭の日に青空の下でみんなで見れたらなぁって思ってん。そしたら、めっちゃええ思い出になるやろなぁって。
そう思ったから推薦した。……ごめんな、なんか上手くまとまらんわ。俺にしてはかなりええ案やと思うんやけど」
陽は一つ一つ丁寧に言葉を選びながら言い切った後、少し申し訳なさそうに笑う。
教室は再び沈黙に包まれる。クラスメイトは、陽の熱弁に半信半疑みたいだった。
見てたら、なんか惹きつけられるいうか、上手く言えへんのやけど、とにかく目を奪われる感じなんよな。
……凛ちゃんって、ほんまは絵ばっかり描いてる暗い奴とかそんなんちゃうねん。いつもめちゃ楽しそうに絵描いとって、そうやって描いた絵やから、大袈裟かもしれへんけど、見てたらこっちまで幸せな気持ちになれんねん」
恥ずかしさも忘れてその言葉に聞き入っていた。
『絵ばっかり描いてる暗い奴』って、さっき中庭で私が陽に話したことだ。あの時、時間がなくて陽は口を閉ざしたけれど、もしかしてこれを伝えようとしていたのだろうか。
いつもそんな風に考えて、そんな風に私が絵を描いているところを見ていたのだろうか。
唇をキュッと噛みしめる。
「凛ちゃんの描いた絵でみんなでパネル作って、それを体育祭の日に青空の下でみんなで見れたらなぁって思ってん。そしたら、めっちゃええ思い出になるやろなぁって。
そう思ったから推薦した。……ごめんな、なんか上手くまとまらんわ。俺にしてはかなりええ案やと思うんやけど」
陽は一つ一つ丁寧に言葉を選びながら言い切った後、少し申し訳なさそうに笑う。
教室は再び沈黙に包まれる。クラスメイトは、陽の熱弁に半信半疑みたいだった。
