カラフル

　競技を決めるにはさほど時間はかからなかった。運動部を中心に、走る競技の出場者が決まっていき、運動が得意ではない人間も玉入れや綱引きなどの競技に参加をする。私の出場種目も無難な借り物競争と二人三脚に落ち着いた。


　２人が要領よく進行したからというのもあったが、それ以上に２人の人望があったから周りが協力したのも大きかったと思う。特に揉めることなく話し合いは進んでいった。


　各競技の出場者が決定し、蘭が名前を控えている間、陽が別のプリントに目を通す。

「あと決めなあかんのは……蘭ちゃん、このパネル責任者ってどんな役割なん？」

「あ、今年はパネルもあるんだっけ」

　蘭が手を止めて慌てて顔を上げる。


　私たちの高校は各学年６クラスで編成されており、体育祭では同じ組同士の３学年で団を作る。つまり私たち２年３組は、１年３組、３年３組と一緒の団になる。

　団の中でも学年ごとに決まった役割があって、３年生は自作の衣装を作ってダンスと応援を組み合わせたパフォーマンスを行う。２年生は団のイメージカラーに合った巨大パネルを制作して当日に展示する。

　そして競技とパフォーマンスとパネルの点数の合計で、体育祭の順位が決定することになっている。


　昨年は特に大きな役割はなかったが、今年度は２年生ということもあり、体育祭の競技への参加に加え、体育祭当日までにパネルの制作という役割が入ってくるらしい。


　蘭の説明によると、まずはクラスの中でパネル制作の責任者を選出しなければならないみたいだ。