カラフル

「あたしでよければ、女子の実行委員やります。去年もしてたから、なんとなく流れは分かるし。きちんと指揮がとれるかって言われると不安だけど……」


 そういえば、蘭は去年も実行委員を引き受けていた。元々、学級委員とかみんなが面倒くさがるような仕事も、みんなが困っているならと嫌がらずに引き受けるような性格だ。

 去年はクラスが違ったからすっかり忘れていたが、そういえばこの時期は忙しなく働いていた気がする。

 やや謙遜しながらそう言った蘭に、周りが応援の声と拍手を送る。


「蘭ちゃんが実行委員なら俺も立候補してもいいかもな」

「ばーか」

 拍手に紛れて近くの男子の笑い声が耳に入る。


「じゃあ女子は一ノ瀬蘭でいいな。それで佐倉は推薦か?」

 今度は先生が蘭から陽へとターゲットを変える。クラスメイトも一斉にそちらを向いた。

 陽が立ち上がる。

「いや、もし他におらへんのやったら男子の実行委員やろうかなって思て。俺ちょうど部活もバイトもしてへんし」


「本気か?」と、坂本先生が眉間に皺を寄せる。

 教室内がざわめく。


「え、本気やけど、なんかあかんのですか?」

「そりゃ良いか悪いかで言ったら、悪くなるだろ。俺の肩書が。転入してきて2週間の奴に実行委員を押し付けた血も涙もない学担になる」

 深刻そうに呟く先生に、「保身かよ」と一斉に周りから突っ込みが入る。


「あーほな別にええです。他に誰かやるんやったら、別に俺やなくてもええし」

 そう呟いて座りかける陽を見て、クラスメイトの目の色が変わる。