鞄の中に詰め込んだ教科書やノートを全て引っ張り出す。
――ない。
屈んで机の中を覗き込む。
――ここにもない。
スケッチブックがない。
気付いたと同時に顔が青ざめていくのが自分でも分かった。
昼休みまでは間違いなく持っていた。だから忘れたとするとあのとき――転入生に腕を掴まれたときだ。
慌てて中庭に向かったが、そこには見慣れた芝生が広がっているだけで何も残ってはいなかった。
誰かが拾ってくれたのかもしれない。そう思い職員室も訪ねてみたが、落とし物の中にも見当たらなかった。
一体どこに行ったのだろう。
描きかけの絵が残っていたのに、見つからなかったどうしよう。
重い足取りで教室まで戻る。授業が終わってから既に30分が経っていた。だからもう誰も残っていないと思っていた教室で人影を見つけて、驚いて足を止める。
「あ、やっと戻ってきた」
そう呟いた彼の右手には、散々私が探し回っていたものが握られていた。
「それ……」
「ああ、これ?」
彼が手元のスケッチブックへと視線を落とす。
「返して!」
早足で彼の前に向かい声を荒げる。
「そんな怖い顔せんでもええやん。中なんか見てへんで。凛ちゃんが忘れて行ったから、拾っただけやのに」
彼がムッと顔を顰める。その様子を見て我に返った。
――ない。
屈んで机の中を覗き込む。
――ここにもない。
スケッチブックがない。
気付いたと同時に顔が青ざめていくのが自分でも分かった。
昼休みまでは間違いなく持っていた。だから忘れたとするとあのとき――転入生に腕を掴まれたときだ。
慌てて中庭に向かったが、そこには見慣れた芝生が広がっているだけで何も残ってはいなかった。
誰かが拾ってくれたのかもしれない。そう思い職員室も訪ねてみたが、落とし物の中にも見当たらなかった。
一体どこに行ったのだろう。
描きかけの絵が残っていたのに、見つからなかったどうしよう。
重い足取りで教室まで戻る。授業が終わってから既に30分が経っていた。だからもう誰も残っていないと思っていた教室で人影を見つけて、驚いて足を止める。
「あ、やっと戻ってきた」
そう呟いた彼の右手には、散々私が探し回っていたものが握られていた。
「それ……」
「ああ、これ?」
彼が手元のスケッチブックへと視線を落とす。
「返して!」
早足で彼の前に向かい声を荒げる。
「そんな怖い顔せんでもええやん。中なんか見てへんで。凛ちゃんが忘れて行ったから、拾っただけやのに」
彼がムッと顔を顰める。その様子を見て我に返った。
