平安物語【完】




乳母からその知らせを聞いた途端、私は目の前が真っ暗になりふらふらと倒れ込みました。



―悔しい


羨ましい


妬ましい



私の方が、ずっと前から東宮様にお仕えしているのに


東宮様は私を愛してくださっているのに


どうして…


あの尚侍が、東宮様の御子を…