翌朝 弘徽殿の女房達が、何か興奮したようにあちらこちらで噂話をし合っているようです。 何なの…? 昨日から… 私も不安になってきましたが、誰かが知らせてくれないと私の耳には入りません… その時、険しい顔をした乳母が私に近寄って来て 「姫様… 左大臣家の中君(貴人の次女の敬称)が入内されるようです…」 と、言いました。