「…まぁ、東宮にはうちの女御様というお方がいらっしゃると知っていながら…」 「本当。 どうなってしまうのかしら…」 ある日の未明、東宮様のご寝所から帰ると、五・六人の女房がこそこそと興奮して話し合っているのが聞こえました。 …私? 何かしら… とても気になりますが、女房達の噂話を盗み聞きなんてみっともなくて出来ません。 何も気づかなかったようにそこを通り過ぎ、自室へと帰りました。