平安物語【完】








そうして白虎帝と弘徽殿中宮は、世間の普通の夫婦のように想い合って過ごされました。



その年、椿の上が姫君を出産なさいました。


翌年には、皇太后様が五十一歳で崩御…。

朱雀院のお嘆きは、側の者まで気の滅入るほどでした。


しかしその直後、朱雀院の登華殿女御の御懐妊が発覚。

口さがない者が「亡き皇太后様が、登華殿女御様と腹の御子を呪い殺すのでは…」などと噂をいたしました。

白虎帝は、皇太后様を早くに亡くなった母の代わりと慕っていらしたため、この噂が逆鱗に触れました。

温和な帝らしくもなく、この噂の本である二人の貴族を流罪にしようとなさいましたが、中宮の説得に加え、姫宮の無事なご誕生により、しばらく謹慎させる程度で収まったのでした。