平安物語【完】




しばらくして落ち着かれた中宮様は、一人の女房をお呼びになりました。

入って来たのは、かつてお会いした中宮様の乳母です。


「若と姫を、連れてきてちょうだい。」

とご命令なさると、乳母殿は驚いたような表情を浮かべましたが、退出してすぐに戻って来ました。

乳母殿は、若宮…いえ、若君をお抱きして、姫宮を連れています。

中宮様は若君を抱きとって、再び下がるようにと仰いました。