私達が内裏へ向かう列にはたくさんの公達が付き従って、華美な行列となりました。

それもこれも若宮の御為なのだと思うと、何と素晴らしい御身分に生まれたお方なのかと、我が子ながら畏れ多く思われます。



夕方に弘徽殿に着くと、久しぶりの御殿は美しく磨き上げられていました。

正装から着替えると、自然と心身がくつろぐのを感じました。

若宮は、少納言の腕の中できょろきょろと回りを観察しています。


「坊や。」

私が呼ぶと、若宮はにこっとしてこちらに腕をのばしました。

少納言から若宮を受け取って抱くと、ずしりと心地良い重みが腕にかかります。