―…翌朝 弘徽殿の自室で休む私のもとに、東宮様からのお手紙が届きました。 『あの月を忘れないでください。 私はいつもあなたの事を想っています。』 『新しいお妃様がお気の毒になりませんようになさってくださいませ。 私にはあなた様がくださった月で十分でございます。』 …嘘。 本当はお側にいたい。 他のお妃なんて知らない。 私だけの東宮様…