平安物語【完】




そっと手を差し伸べると、小さな体からは想像もつかないような力で私の指を握りしめます。

その可愛らしい手に頬を寄せると、幸せに涙が零れました。


乳母が私の体を心配して若宮を抱き取り、物に寄りかかって皆を見られるようにしてくれました。

少納言の君が、繊細な宝物を戴くかのように若宮を抱き、私に笑顔で会釈し、私もにっこりと笑みを返しました。


椿の上は膝に太郎君を抱き、太郎君は若宮をまじまじと見つめています。

父上は、自分がお抱きしたくてうずうずしています。

右大将の君は、私の御帳台の側から若宮と少納言の君を穏やかに眺めていました。