平安物語【完】




ふと目を覚ました時、もう夕日が差し込んでいました。


「お目覚めでございますか。」

枕元には右大将の君が座っていて、優しい笑みを浮かべています。


「若宮は…?」

開口一番に尋ねると、

「様々な儀式も滞りなく終えられ、少納言の君がお世話しています。

女房達も、それは珍しがって大喜びしておりますわ。

女御様がお目覚めと伝えて参ります。」

と言って御帳台を出ていきました。


――そういえば、右大将の君は昨夜には帰る予定だったのに…


若宮ばかりを気にして、右大将の君のことを気に留めなかったことを反省しました。