平安物語【完】




「ほら…女御……

私達の、男の子だ…」

泣き笑いのお顔で、尚仁様が私に御子を見せてくださいます。


「かわいい…」


まだ目も開かず肌も真っ赤ですが、本当にただ率直に、かわいいと思いました。

私は、尚仁様と出会いこの子と出会うために生まれてきたのだと確信しました。


父上や椿の上もお渡りになって、父上はやはり男泣き、椿の上は満面の笑顔で若宮をお抱きになります。


――父上、私、さっき母上にお会いしましたのよ…


万感の想いで父上を見つめると、父上は顔全体で微笑んで私を見つめ、

「よく頑張ったなぁ。

母上もさぞかしお喜びだろう。」

と涙を流されました。

椿の上は、優しい表情で父上を見ています。