平安物語【完】




「女御…

明日です…」


布団の中で、私を抱きしめた東宮様が仰います。


明日、他のお妃が入内される…


「…承知しております」


覚悟は…出来ております。


すると視界がぐるりと回りました。

東宮様が私の上に乗って、切実な瞳で私を見つめていらっしゃいます。


「女御、忘れないでほしい。

他の誰と過ごしていようと、私はあなたを想っています。

真実愛しいのはあなたなのです。

あなただけなのです…!!」


苦しそうにそう仰って、何度も何度も私を愛してくださいました。

…私を忘れないように?

…私が忘れないように?


ずっとこのまま、東宮様に溺れていたい…