平安物語【完】




「さっそくですけれど、少納言の君。

このお腹の子の乳母をぜひあなたにお願いしたいとの事は、お母君からお聞きですね?」

じっと見つめて切り出すと少納言の君も黙ったまま私を見つめ、隆資はきょとんとしています。


ややあって、

「はい伺いました。

しかし、私めなどに務まりましょうか。」

と呟きました。


「もちろんです。

私と右大将の君が見込んだのですよ。

当然、あなたの身が立つよう配慮は致します。

受けては頂けないでしょうか…」

ついとにじり寄って頼むと、

「私でよろしいのでしたら、喜んでお受け致します。

有り難い限りですわ。」

と、はにかみながら答えました。