平安物語【完】




部屋を見てみると、予想はしていたものの、本当に辺り一面真っ白です。

煌びやかな衣装に身を包んでいる自分が、場違いのように感じました。

几帳や御帳台の帷子から、何から何まで真っ白。

さすがにまだ女房達は白装束ではありませんが、いざ出産となれば、皆が皆、白づくしのものに着替えるのだそうです。


「それにしても、模様替えの日が早すぎはしないかしら?

予定は睦月です。

出産の数日前にするものと聞いてましたのに。」

乳母に問うと、

「ええ、父上様もそうお思いになって数人の陰陽師に日を占わせなさったのですが、誰もが本日こそと申したそうなのです。」

と、怪訝そうに言いました。


着替えて御帳台に入っても、暗闇のなかに帷子の白さが際立って落ち着かない気分でしたが、徐々に慣れてきて、やっと眠りにつきました。