平安物語【完】




「いいの。

あなたにこそ使って欲しいのよ。

ずっと、お道具達をこのまま放置しておくことを寂しく思っていたの。

父上にお願いしたら、父上も喜んで賛成していたわ。

だから使ってもらえないかしら。」

なおも困っている右大将の君に、私について来ていた乳母が

「使って差し上げてください。

あなたが右大将様の北の方となると決まった時から、姫様はお考えになっていました。」

ともう一押しすると、

「では…勿体無いことではありますが…謹んでお借りいたします。」

と頭を下げました。