平安物語【完】




翌日目が覚めるやいなや、早く右大将の君に会いたいと気が急きます。

まるで、幼い頃に、母上方のお祖母様がお泊まりにいらした頃のようです。

とても優美で優しいお祖母様でした。



「右大将の君は、西の対に?」

近くにいた乳母に訊くと、

「はい。

実は、今日は姫様に西の対にお渡り頂きます。

陰陽師の言うことには、本日がお産のための模様替えをするに適した日だそうなので、その間姫様には他の所へお移り頂かねばなりません。

東の対でも良いのですが、右大将の御方にお会いしとうございましょう?」

と言われ、ますますワクワクしました。


「ええ、お気遣いありがとう。

早速行きたいわ。」

そわそわしながら言うと、ふふっと笑って

「やはり御方様にお訪ね頂いたのは、正確でございましたわね。」

と言いました。