「まあ、お腹が随分と大きくなられましたね。」
入って来るなり、右大将の君が声を上げました。
「ええ、ひと月以内に生まれるんですもの。
元気に育って頂かなくては。」
にっこりと言うと、右大将の君も零れるような笑顔を返します。
「御出産の折には、必ずお側にお呼びくださいませ。
私がこちらをお訪ねするのが間に合わなかったら、陣痛が始まり次第御使いを寄越してくださいね。
立ち会わせてくださらなかったら、一生お恨み申します。」
真剣に言うのを、「さあ、そんな余裕があれば良いけれど。」と受け流すと、じっと睨んできました。
その目つきさえ、艶に可愛らしいのです。

