平安物語【完】




その後も、東宮様は起きていらっしゃいました。

私を逞しいお胸に抱いたまま、幾度と無く唇を落とされます。


「女御…

実は、五日後に他の妃が入内します。」

何の前触れも無く、東宮様はそう仰いました。


え…


「他の妃が入内すれば、その人も最低三日は召さねばならないでしょう。

その後も、あなたばかりを召す訳にはいかなくなります…

それでも、三日経てば必ずあなたを呼びます。

どうか、こらえてください…」


東宮様が他の妃を迎える…

いずれはと思っていたことですが…いざとなるとやはり…


涙で滲んだ目で東宮様を見上げると、東宮様もまた目が潤んでいらっしゃいました。


東宮様も、お辛いの…?

私と同じ、お気持ちですの…?

ならば、他に何の答えを申し上げましょうか。

涙をこらえて、申し上げます。


「お待ちいたしております…」


何日でも…