平安物語【完】




「しかし、弁の君がいながら全くお泊まりにならないとなれば、返って思い当たる節があるのだと言われてしまいます。

なので、弁の君には右大将様の御屋敷へ行って頂きます。」


「えっ」

驚いて弁を見ますが、弁は承知していたらしく微笑んでいます。


「やむを得ないのです。

弁の君は、月に数日ここへ帰って来て姫様をお支えしてください。

それから、御出産間近になったらこちらへ戻ってください。

右大将様は明日いらっしゃる御予定なので、明日私から一切をお話ししお願い申し上げてみます。」

つらつらと述べた後、一息ついて

「これが最善かと思われます。」

と言いました。