「う…噂…が、流れているのです…。」
自然と口をついて出ました。
「この子が…この子の父親が、右大将殿だと……」
言葉にすると、一層涙が溢れ出て止まりません。
弁は愕然とした表情を浮かべていましたが、
「大丈夫…大丈夫です。
女御様は潔白です。
根も葉もない噂は、すぐに無くなります。
第一、御子の誕生月で証明できるではありませんか。」
今度は私が唖然とする番でした。
「そうだわ…。
誕生月で分かるに決まっているのね。
でも、遅産だったら…」
引っ込んだはずの涙がまた滲み始めましたが、
「大丈夫ですったら!
右大将様にもお伝えしますね。
これ以上噂に尾ひれがつかないような振る舞いをするように頼みます。」
と弁に活を入れられて、
「ええ。」
と何とか微笑みました。

