平安物語【完】




何度も何度も軽く唇を落とされるのを、ふいとよけました。


「帝、あの…」

「……………また、退出の話ですか?」

一気に御機嫌が悪くなって、奥へ行って座ってしまわれました。

私も急いで後に従います。


「そうは仰いましても、もうお腹は目立ちますし…。

そろそろお許しを頂きとう存じます。」

おずおずとそう申し上げも、尚仁様は厳しい表情で俯いたままです。