御寝所へ入れば――ほら、すぐそこに立っていらっしゃいます。


「こんばんは、母君?」

ふざけたようにそう仰って、私の肩を抱いて奥へと促されます。


「こんばんは、父君様。

良い月でございますよ。」

そう申し上げただけなのに、優しく口付けられました。

唇が離れきらないまま、二人でふふと笑います。