平安物語【完】




「なっ…」

私を見て驚いたようなお顔をなさっています。

予想外の反応に、私も驚いてしまいました。

すると次の瞬間、立て膝をついて近づいていらした尚仁様に、ふわっと抱き上げられていました。

「えっ」

私の声は、女房達の華やいだ歓声で掻き消されてしまいました。

そしてそのまま、私が座っていた所に尚仁様がお座りになり、私は尚仁様の左手に置かれ、尚仁様の左腕は私の肩に回って私を抱き寄せるような形になったのでした。