平安物語【完】




私の懐妊の噂はぱっと広まり、同時に麗景殿様御懐妊の噂も入り込んできました。

乳母はサッと顔色を変えるも黙っていたのですが、女房達がすぐさま産み月の計算を始めます。

私は、麗景殿様と尚仁様との事に激しい怒りと嫉妬を覚えたのもいつの事やら、御子を授かった喜びの前には大した事とは思われません。


「大体、御懐妊から二・三ヶ月で悪阻があるでしょう?

女御様は、二ヶ月前にはお里に下がっていらっしゃったから、おそらくは三ヶ月前の弥生(三月)に御懐妊かしら。」

「えっ…確か、中宮様も如月(四月)にはお里にお下がりでしたわ。」

「え…」

「じゃあ…産み月は…」



同じ、睦月(一月)……