平安物語【完】




「本当におめでとうございます。

亡きお母上がご存命でしたら、どんなに喜ばれたことか…。」

その時、外がざわめき立ちました。

女房達が
「まあ、殿!」「大臣が…。」
などと言う声を聞いて父上がいらしたのだと分かりましたが、何の挨拶もなく御帳台に寄ってくる気配がします。


「全く、殿方は…。」

と、乳母が呆れたように言いました。