自邸にいた頃には、たまにやって来ては普通の挨拶をして行った右大将殿も、弘徽殿へは来ず、たまに来ても夜に弁に逢って明け方には帰って行きました。

何となく気まずい気もしますが、皆は「いくら親戚とは言え、帝ご寵愛の女御様に対してご遠慮なさるのは、ごもっともだわ。」と言っているので、努めて気にしないようにしました。