平安物語【完】




思った通り、部屋には誰もいませんでした。

「さあ、今一度おやすみなさいませ。

私が不寝の番をいたしております。」


乳母にそう諭されて横になり、幼子にするように髪を撫でられているうちに、緊張が解けてあっという間に眠りに落ちました。