平安物語【完】




乳母は優しく目を細めて、

「まぁ、幼子のような姫君ですこと。

どうぞお入りください。

散らかっていて、もったいない限りではございますが。」

と言ってくれました。


中に入った途端に緊張の糸が切れて、私はほろほろと涙を零しました。

乳母は驚いたようでしたが、何も訊かずに私の背を撫でていてくれました。