平安物語【完】




すると右大将殿は俯いて考え込んでしまいました。

この隙に逃げたいと思うも、袖をしっかりと掴まれています。

誰か来やしないかとはらはらしている時、私はようやく一つの事に気づきました。

私は弁を呼びつけてあったはずなのに、この右大将殿が来て、まだ弁は来ない。

もしかしたら、人払いをしたと知った弁が右大将殿を来させたのかもしれない…。

だとしたら私は自分で墓穴を掘ったのだわ。

なんて浅はかな…。