「誰かに見られる前に、お引き取りください。」 そう言ってそっと離れようとすると、ぱっと袖を捕まれました。 ぐっと腕が下がり、右大将殿と目が合います。 「女御様…っ」 ―ああ、私は侮っていたようです。 私を見つめる右大将殿の瞳には、ひたすらに切ない想いが宿っていました。 この方は、私が尚仁様を想うように、私を想っているのか…