――…サラ スッ… 御簾の動く音や誰かの衣擦れの音が聞こえてきて、浅い眠りだった私はぼんやりと目を覚ましました。 のろのろと体を起こすと、弁が愛用する香が匂いました。 ―ああ、弁が来たのね。 まだはっきりとは覚めない頭でそう思い、ほんの申し訳程度に身支度を整えて御帳台の外へとにじり出ました。