平安物語【完】




弁は、その日一日自室に下がっていました。

居ても立ってもいられなくなった私は、女房に、夜が更けた頃に参上するようにと弁への伝言を頼みました。


―なんとしても、とんでもない手引きなどしないよう弁に言わなくてはならない。


焦る気持ちをこらえて夜更けに指定したのは、皆が寝静まって誰にも聞かれないように話すためです。