弁は、その日一日自室に下がっていました。 居ても立ってもいられなくなった私は、女房に、夜が更けた頃に参上するようにと弁への伝言を頼みました。 ―なんとしても、とんでもない手引きなどしないよう弁に言わなくてはならない。 焦る気持ちをこらえて夜更けに指定したのは、皆が寝静まって誰にも聞かれないように話すためです。