『いや遠き 雲居の花に 思ひつき 我が身焦がれて 消えぬべかめり (遥か遠い宮中にお住まいの、高嶺の花であるあなた様をお慕いして恋心に火がついてしまっています。 私の身は、きっとあなたに思い焦がれて焦がれ死にしてしまうでしょう。) 私の想いの軽くないことは、誰よりあなた様ご自身がご存知のはずですのに、まるで素知らぬふりをなさるのはあんまりと存じます。 帝相手に嫉妬するなど、恐れ多いこととは分かっているのですが。』