平安物語【完】




信じられない大胆不敵な振る舞いに、恥ずかしさと一緒に怒りが込み上げてきます。

女房の目を盗んで、袖に落とされた物を見ると、やはり文でした。

あらかじめ用意していたのかと思うにつけても、腹立たしくて仕方ありません。

汚い物を触るように開くと、美しい紙に流麗な字が並んでいます。