下がろうとしたその時、御簾の下から軽く袖を引かれ、捉えられました。 驚いて手を引こうとすると、袖の中にさっと何かが落とされました。 そのままあちらが手を戻したので、動悸が収まらないまま急いで部屋の奥へと帰ります。 周りの者は、誰一人気づいていないようです。