平安物語【完】




夜が更けて来るにつれて、酔ってしまった人は眠ったり、この屋敷に情を通じた女房がいる人などはその人の所へ行ったりして、徐々に静かになって来ました。

若君も、もうお部屋にお戻りになりました。


父上も眠くなってしまわれたらしく、

「さて、もう年寄りにはおいとまを許して頂けますかな?

見苦しい有り様をお見せしてしまう前に、私はもう休ませて頂きます。

どうぞ、ご希望の方はご遠慮なくお泊まりくださいますように。」

と言って奥へ入ってしまいました。

父上がお引き取りになったので、私と椿の上も自然と席を立ち、挨拶を交わしてそれぞれの部屋へと帰りました。