平安物語【完】




「まあ…」

―なんとお可愛らしい…


生まれたての真っ白なお肌はとても美しく、頬の辺りだけ赤く色づいて、黒々とした瞳を見開いて無心に私を見つめています。

不意ににっこりと笑いかけてきた、その笑顔の愛らしいことと言ったらこの上ありません。

脇から覗き込んでいた父上も、ほくほくの恵比寿顔で、女房達が微笑ましそうにくすくすと笑っています。