女房達が驚き涙を流したりしている中、私と乳母は二人で琴を弾いていました。

時折目が合ってはにっこりと微笑み合い、穏やかなものでした。

そんな私達の姿を見た周囲の者達も自然と落ち着きを取り戻し、私達の周りに集まり始めました。

乳母が促し、大人数で合奏を致しました。


こんな弘徽殿の様子がどのように噂されたかは存じませんが、とにかく私達は、この辛い日を心のどかにやり過ごしました。