平安物語【完】




そんな噂は、私の気持ちを暗くさせます。

何となく分かっているのです。

中宮になるのは、麗景殿宮様でございましょう。

父のため、そして何より私自身が尚仁様の左隣に置いていただきたいがためにも、中宮になりたいのは山々です。

尚仁様の正妃となり、他の誰よりもお側近い存在になりたいですとも…

尚仁様が私を見て「宮、」と呼び掛けてくださる夢を見たのも、一度や二度ではありません。