「姫宮様のご誕生、おめでとうございます。

梅壺の姫宮様は、姉宮様とおなりですのね。

どんなにお喜びでしょう。」


私が満面の笑みを浮かべてそう申し上げますと、「ありがとう」と、それは幸せそうに微笑まれました。

「どういうつもりからか麗景殿に近づいていた左大臣なんかは残念がっているだろうけれど、私は女も男も変わりなく嬉しく愛しいのです。

もし私に男御子が出来なかった時には、我が弟の三の宮を東宮に立てようと思っています。

左大臣家が勢力を増すだろうから、あなた方には申し訳ないのだが…」